「連濁はいつ起こるのか?」
(2002.01.01 更新)
このページでは「チ」にみられる摩擦音化(チ→シ)と歯茎音化(チ→ツィ)の二つの変化を過去から未来にわたる日本語の変化のなかにもとめ、それらの変化の前段階であるティ→チの変化を想定すれば、「すずめ」の語源がすずめの鳴き声に接尾語「メ」がついたものであると考えられることを示していこうと思います。
01.はじめに
02.連濁とは何か
03.清濁と連濁の関係
04.清む(清音)と濁る(濁音)
05.ガ行鼻濁音
06.サ行の直音化について
07.タ行の破擦化について
08.ツァ行音について
09.四ツ仮名について
10.すずめはスズと鳴いたか?
目次(「連濁はいつ起こるのか?」)へ
10.すずめはスズと鳴いたか?
前回の更新ではタ行の破擦化をt→ts/t→s/のようにtsとtの二種を考えましたが、これからtがtsとtの二種に分離し、変化した原因を考えることにします。
まずこの問題を考えるまえにタ行のチ・ツの変化を整理すると、概略次ぎのようになります。(この考えはこちら)
奈良時代 室町末期 現代音
チ:ti(歯茎閉鎖音)--→ti(後部歯茎破擦音)--→ti
ツ:tu(歯茎閉鎖音)-→tsu(歯茎破擦音)------→tsu
ここで前々回の更新で引用しなかった「『日本書紀』歌謡α群の万葉仮名を主要な材料として、上代日本語の頭音の音価を推定」(森博達 1991:97)された森博達氏の考え(表23:森博達 1991:126)を追加しておきます。(また同書:123-8や森浩一編 昭和57:189-192をみてください)
前舌 中舌 奥舌
狭 : ti su
半狭: te so
半広: ts
広 : ts
*上表は古代サ行頭子音の推定音価。tiなど左肩の小文字(t)をつかったのはそれぞれ閉鎖の弱い破擦音であることをあらわすためです。また文字シ/スと音ti/suのそれぞれのくいちがいについては、このあと考察します。
ところで現代の(東京近郊などの)若者の「チ」の発音について、大野氏は次のような報告をされています。(それぞれ大野 1994a:271-2,大野 1989c:215-6,同書:178)
1.「[si]と発音する若者は、それと並んで「チ」[ti]の音も[tsi]と発音する。その結果チ[tsi]とツ[tsu]の区別が聞き取りにくくなり、あたかも少し以前の東北地方の方言的な発音のような印象を与える。・・・(以下省略)」
2.「大野 発音のことでいうと、女の子が「し」と「す」がちゃんと発音できなくなって、非常におかしくなっている。「千葉県の人」を「ツィバ県のストが」というんですよ。それと、サシスセソと言えない、スァスィスゥスェスォになっちゃう。「スォんなことスィないわよ」になるんです。で、「君の発音はおかしい、サ・シ・ス・セ・ソといってごらん」と言ったら、「エエッ、そんなことやったら私の英語の発音がだめになっちゃう」というんですよ。」
*筆者注:回答者座談会「国語の授業では発音を教えない」の項の大野氏の発言。
3.「NHKの若い女のアナウンサーの中にはシの音を、iと発音できず、suに近い音を出す人が少なくないんですが、彼女たちは日本語を正しく発音できなくても英語が話せるという条件が考慮されて採用されていると聞きました。彼女たちはチの音もtiと発音できずにtsuに近い音で発音します。お気づきでなかった方は、耳をすましてきいてご覧になると、はっきり分ります。・・・(以下省略)」
*筆者注:「変な発音に気がついていない」の項(問‐四二)にたいする大野氏の回答の一部。
大野氏のこれらの観察をまとめると、次のようになります。
硬口蓋歯茎音 歯茎音
シ(摩擦音):[i]---------→[si](スィ)
チ(破擦音):[ti]--------→[tsi](ツィ)
*以下の考察のために、これらの変化を歯茎音化と名づけます。
さて大野氏は著名な国語学者で、長く大学で学生に国語学を教えておられた方なので、上の観察は信頼できるものと思われます。もちろん東京あたりの若者の発音が日本語全体の発音の変化の方向を代表しうるかという点はおおいに問題とするべきですが、ここではとりあえず「代表しうる」と考えることにします。そうすると現代女子大生の発音の推移から考えれば、未来の日本語のシ・チの発音はそれぞれシ([i])→スィ([si])、チ([ti])→ツィ([tsi])→スィ([si])のように変化すると考えられます。つまり現代日本語の乱れとして槍玉にあがっているスィや変な発音として気づかれているツィは未来の日本語では正しい発音になっているものと思われます。(ただし、まだツィは乱れとしての非難の対象とはなっていませんが。)
蛇足ですが、シと発音するよりもスィの発音のほうがかっこよいと考えたり、「私の英語の発音がだめになっちゃう」という言葉を口にする現代女子大生達の意識のありようは大いに考えなければならない問題です。なぜなら次の時代の日本語の使い手はこのような若者やこれらの若者たちに育てられる次々世代の子供たちであるのはまちがいない事実なのですから。この重要な問題については新しいホームーページ「倭言」(わごと)で考えていきたいと思っています。こちらもぜひ見てください。
ところでいま上で日本語のシ・チの未来の発音を想像したのですが、もしこれが事実だとすれば、いままで考えてきたタ行の変化について少し問題になることがあります。そこでもう一度歯(茎)音の破擦化についてみておきます。
無気閉鎖音 有気閉鎖音 破擦音 摩擦音
歯(茎)音:t---------→th---------→ts/t----------→s/
(有気音化) (破擦音化) (摩擦音化)
上のt→s/への変化は世界の言語に普遍的にみられる音韻変化で破擦化とよばれているのですが、[tsi](ツィ)が[si](スィ)に、また[ti](チ)が[i](シ)に変化するのは「破擦の最後が単なる摩擦音になってしまう」摩擦音化として説明することができます。その変化をまとめると、次のようになります。
破擦音 摩擦音
硬口蓋歯茎音:[ti](チ)---→[i](シ)
歯茎音 :[tsi](ツィ)--→[si](スィ)
ところでここまで現代の東京あたりの女子大生の発音の変化(ここでは歯茎音化とよぶことにします)と歯茎音の破擦化との二つの変化をみたのですが、それらの変化の違いがよくわかるように、次のようにまとめてみます。
破擦音 摩擦音
硬口蓋歯茎音:[ti](チ)-----→[i](シ)
↓ ↓
歯茎音 :[tsi](ツィ)----→[si](スィ)
*右矢印(→)が摩擦音化。下矢印(↓)が歯茎音化。
このように摩擦音化と歯茎音化の二つの音韻変化が存在することがわかるのですが、ここで日本語における過去の音韻変化をみておくことにします。(詳しくは以前のそれぞれの例をみてください。なお、とりあえず母音はi・uで代用してあります。)
A.歯茎音化
1.シェ→セの変化
「○ xe(シェ)の音節はささやくやうにse(セ)又はce(セ)に発音される。」(詳しくはこちら)
2.シャ→サの変化
例:オモロ例 国語例 (意味) 対応
たかさ ―たかし (高し) ―ク活
うれしや ―うれし (嬉し) ―シク活
変化の方向:「―さん形式」「―しゃん形式」のうち、現代では「―しゃん形式」が弱まって「―さん形式」が優勢である。
*例と変化の方向は、一部のみ引用しました。(詳しくはこちら)
B.摩擦音化(詳しくはこちら)
1.ツ→スの変化
ス 足 tsiuk=tsuk 足スク尼ネ(敬称) tsukune(23)
2.ツァ→サの変化
サ 沙 a =sa 多タ沙サ鬼キ獲ワ居ケ(人名。ワケは官職名) tasaki
差 ‘=tsa 加カ差サ披ハ余ヨ(人名) katsapayo
いま摩擦音化の例として上のものをあげましたが、ほかにも村山氏は次のようなシの例をあげられています。(村山 1988:18)
「シ 斯 sie=si
斯シ鬼キ宮ミヤ(宮殿名) si ki-miya
次 ts‘ii=tsi 多タ加カ披ハ次シ(人名) takapatsi 」
ところでこの「斯」「次」はどのような変化と考えるのがよいでしょうか。ローマ字は一見すると当時の音と考えられるので、tsi→siの変化と考えてよいでしょうか。この問題を考えておきます。
サ行音のシ(i)はsiから変化したのではなく、siに変化せずiにとどまったと考えられ、また「斯」の現代音がiであることから、当時の「斯」の発音はsiではなく、iであったと考えられます。そしてもし「次」の発音がtsiであったとするなら、tsi→iへの直接の変化か、tsi→si→iの変化を考えることになります。しかし上表をみてわかるように、tsi→iへの直接の変化は考えにくく、またiはsi→iの変化ではなく、iにとどまったという考えなのでtsi→si→iの変化も考えられません。このように考えてくると、「次」もtsiでなく、tiであると考えることができます。そうすると「次」→「斯」の変化はtsi→siではなく、ti→iと考えるほうが理にかなっています。そしてその「次」は中世の「し」がtiであることから、上代以前からtiであったと考えることができます。また中世以降にe→iの変化の前例があることから、上代以前にsie→e→i(「斯」)への変化があったと考え、これらのことを考えあわせると「次」→「斯」への変化をti→iと考えることができるでしょう。つまり上の考察から、シの変化をti→iの摩擦音化の例と考えることができます。
そこで摩擦音化の例として、シの変化をつけくわえることにします。
B.摩擦音化
3.チ→シの変化
シ 斯 sie =si
斯シ鬼キ宮ミヤ(宮殿名) si ki-miya
次 ts‘ii=tsi 多タ加カ披ハ次シ(人名) takapatsi
更新の時期がせまってきていますが、パソコンに向かうまえについ色々な本を読んでしまうためなかなか先にすすめません。しかしti→iの変化を考えていて、「すずめ」の語源に思いいたりました。そこで突然ですが、ti→iの変化におおいに関係がある「すずめ」の語源について書くことにします。
まず「すずめ」の語源を二つ引用します。(それぞれ上代語辞典編修委員会編 1985:389。日本大辞典刊行会編 第11巻 昭和49:426)
「すずめ[雀](名)すずめ。燕雀目すずめ科の小鳥。人家付近にみられるもっとも普通の小鳥で、人間の生活と関係が深い。スズは擬声語か。・・・(以下途中省略)なお、鳥名にはツバメ・カマメ等語尾にメを持つものが多い。庭= 」
*筆者注:「すずめ」のメは乙類(その記号は省略)。カマメは「かもめ」のことと思われます。(上代語辞典編修委員会編 1985:218)
「すずめ【雀】〔名〕@ハタオリドリ科の鳥。・・・(以下途中省略) 語源説(1)(・・・中途省略)スズは鳴き声から、メは小鳥の義〔音幻論=幸田露伴〕・・・(以下途中省略)(6)もとはチュンチュンと小さく鳴く小鳥の総称であったもの〔国語史論=柳田国男〕。・・・(以下省略)」
これらの考えは次のようにあらわすことができます。
すず:擬声語。鳴き声のチュンチュンに同じ。
め :鳥をしめす接尾語。
このように「すずめ」の語源を「鳴き声」と「接尾語メ」との合成であると考えることは「すずめ」の方言に「ちゅーちゅ・ちゅんちゅん(児)・ちんち・ちんちめ・ちんちん・ちんちんめ」(東條操編 昭和29:44)などがあること、また「からす」(烏)の語源について、「一方、ウグヒス・ホトトギスなどスで終わる鳥名は多い。鳴き声の擬声語化したカラに接尾語スがついたものであろう。」(上代語辞典編修委員会編 1985:230)と接尾語スを認める考えがあることからも納得できるものと思われます。(筆者注:カラについては、同ページ同項のからすの鳴き声「コロク」におけるコロとのア列音と乙類オとの母音交替を考えます。また「すず」は「す」の連濁。)
さてここまでの考察から、「すずめ」の語源は「スズ」と表記されるところの鳴き声に接尾語メがついたものであると考えることができます。しかしこれで「すずめ」の語源は解けたことになるのでしょうか。このような語源解きでよいのでしょうか。「すずめ」の鳴き声が「ちゅんちゅん」と表記されるのに、その鳥名はなぜ「すずめ」と表記されるのでしょうか。上の語源解釈では鳴き声の「すず」から「すずめ」の言葉ができたととりあえず考えているのに、その鳴き声が「ちゅんちゅん」であるというのは矛盾しないでしょうか。つまり鳴き声である「ちゅんちゅん」とすずめの「すず」とのあいだにみられるこのくいちがいに目をつむってしまえば、「すずめ」の語源をたんに蓋然性の高い「すずめの鳴き声」と「接尾語メ」との複合であるといいかえただけのことになるのではないでしょうか。「すずめ」の鳴き声は上代もいまも同じであろうと思われますし、我々の耳が古代人の耳と物理的にちがったものに変化したとも思われないので、(そして古代からの文化の連続をみとめるなら)すずめの鳴き声は現代語で「ちゅんちゅん」と表記される音にまちがいないと思われます。
このように考えてくると、鳴き声である「ちゅんちゅん」と「すず」とのあいだのくいちがいを説明しなければならないということがわかります。そうするとまず単純に「ちゅんちゅん」→「すず」の変化を考えつきます。この変化はtun→un→sun→su(それぞれ摩擦音化→歯茎音化→鼻音消失)と考えることができ、音声学的に妥当な変化であると思われます。ところが都合のわるいことは「すずめ」は上代にみられた言葉ですが、それにひきかえ「ちゅんちゅん」はどうみても中世(あるいは江戸時代)以降できた新しい言葉であると思われます。つまりその新しい言葉である「ちゅんちゅん」から上代にみられた言葉である「すずめ」が生まれたと考えることはちょっと問題でしょう。実際のところ歯茎音化はさきにあげた「千葉県」の例(tiba県→tsiba県)のように現在やっとみられはじめた変化です。もちろんtsukune→sukune(「足尼」)の変化が上代以前にあったので、その変化の前段階としてそれ以前にtun→tsunの変化(歯茎音化)を考えれば、tun→tsun→sun→su(それぞれ歯茎音化→摩擦音化→鼻音消失:「ちゅんちゅん」→「すず」)の変化は考えることはできますが、どちらにしても「ちゅん」(tun)のような言葉が上代以前に存在したと考えなければなりません。つまりこのように考えると、「ちゅんちゅん」から「すず」ができたとは考えることができません。では「すず」はどのようにできたのでしょうか。またその「すず」と「ちゅんちゅん」はどのような関係にあるのでしょうか。これからこの問題を考えることにします。
さてこの問題を解くうえで参考になるのは、亀井孝氏の「すずめ」の鳴き声に関する考察です。そこでその考察にふれている外山氏の言葉を、ここにもう一度引用します。(外山 昭和47:190)
「亀井孝氏(「すずめしうしう」成蹊国文三号、昭四五・三。『日本語の歴史』平凡社など)は、たとえば、「すずめ」の鳴き声の表記が「しうしう」から「ちうちう」に変るというような例をあげ、サ行頭子音が本期(引用者注:ここでは院政・鎌倉・室町時代をさしています)においてもなお破擦音であった可能性が大であるとされた。すずめの鳴き声が「ちうちう」と表記されるのは江戸期以降で、それ以前では「しうしう」であった。すずめの鳴き声を人間が一貫して破擦音〔tiu〕〔tiu〕として受けとめているとすれば、文字の上での「し」〜「ち」の移行は、「し」がむしろ〔ti〕であったことの可能性を残している。」
上の考えにしたがえば、文字表記が「しうしう」から「ちうちう」にかわるところの「すずめ」の鳴き声は一貫してtiutiuであったと考えることができます。つまりすずめの鳴き声は古代から一貫してtiutiuとして擬音化されていて、見た目の文字表記が「しうしう」から「ちうちう」に変っただけのことと考えられます。そしてそう考えると、次のような変化を考えることができます。
1.tt→tintin(ちんちん)→tinti(ちんち)
*また「ちんちんめ」「ちんちめ」はこの変化に接尾語「メ」がついたもの。
2.tt→tiutiu→tu:tu:→tu:tu(ちゅーちゅ)
3.tt→tiutiu→tuntun(ちゅんちゅん)
*(iの母音化した音)からiuへの変化は「撥音「ン」について」。→inの変化は鼻音化。tiutiuは中世に「しうしう」と表記された音。
このような変化を考えれば、各地の方言にみられる「ちゅんちゅん」「ちんちんめ」などといった言葉を、また文字表記の上での「しうしう」から「ちうちう」の変化(音はttで同じ)もうまく説明することができます。そしてこのように考えてくると、「すずめ」の「すず」には「す」の連濁がみられるので、次のような変化を想像できます。
4.(titi)→titi→tt→td(すず)+me(め)
*[]:中舌の平唇のウ()の鼻母音化音。
*ここでは上の(tt→)tiutiuとtitiと二つのもととなる音(語源解釈)をあげてあり、一見矛盾していますが、これは母音をi・uで考えたためです。もちろんtitiのほうが擬音化された最初の音ですが、このくいちがいは次回説明します。(じつはこれがチがti→ti、ツがtu→tsuのように違った変化をした原因でもあるのですから。今回は時間がありません。)
さてこのように日本語の古代から未来にわたる(サ・)タ行の変化を考えてきたのですが、ここでもう一度簡単にまとめておくことにします。(中世のチ・ツの変化についてはこちら)
上代以前 上代 室町末期 現代 未来
シ:(ti---→)ti---→ti-----→ti--------→i(--------→si)
ス:(tu--→)tsu---→su-----→su--------→su--------→su
チ:(ti----------→)ti------→ti--------→ti(-→tsi--→si)
ツ:(tu----------→)tu-----→tsu-------→tsu(-------→su)
*( )の変化は推定。かたかなのシ・ス・チ・ツは文字の表記で、ローマ字はその発音。なお母音はとりあえずi・uとしてあります。
ところで上の(サ・)タ行の変化をみると、問題点がふたつあります。そのひとつは過去に起こった文字シとしてあらわれる音のti→iの変化と、未来におこるでろう文字チとしてあらわれているti→tsiの変化の違いです。つまり同じ発音であるtiがi(摩擦音化)とtsi(歯茎音化)と違った変化をすることです。古代のチ(文字表記はシ)は破擦化の定義どおり摩擦音化(ti→i)しているのに、現代語を話す東京近辺の女子大生のチ(文字表記はチ)はすぐには摩擦音化(ti→i)せずに、いったん歯茎音化(ti→tsi)したあと摩擦音化(tsi→si)すると思われるのは、なぜかということです。そしてもうひとつは一見不思議にみえるのですが、タ行はチ(古代の文字シの発音)がti→tiに、ツ(古代の文字スの発音)がtu→tsuと違った変化をしていることです。なぜ破擦化するとしても、同じように硬口蓋歯茎破擦化(ti→ti、tu→tu)するか、もしくは歯茎破擦化(ti→tsi、tu→tsu)するというように、同じ子音(発音部位)で破擦化しなかったのでしょうか。
いま上にあげた疑問点をわかりやすいようにまとめてみると、次のようになります。
1.チの変化はなぜ古代にはti→i、未来ではti→tsiのように違った変化をするのか。
2.タ行の破擦音化はなぜチがti→ti、ツがtu→tsuのように違った変化をしたのか。
ここまで書いてきて、更新の時間になりました。次回はこの続きからにしたいと思います。